診療案内

専門外来

水疱症

水疱症外来では、主に自己免疫性水疱症と先天性表皮水疱症の診断および治療を行っています。天疱瘡や類天疱瘡に代表される自己免疫性水疱症は皮膚・粘膜を構成するたんぱく質を免疫が攻撃してしまう結果、水疱が生じる疾患です。ステロイド内服治療を中心に、様々な治療法を試みています。先天性表皮水疱症は、生まれながらに皮膚の脆弱性を示し、軽微な外力で水疱やびらんが生じる疾患です。診断のために電子顕微鏡検査、遺伝子検査等行っています。
医療関係者の皆様
  自己免疫性水疱症の血清学的検査依頼はこちら

乾癬

患者の皆様へ

乾癬は難治性の皮膚病で、全身どこにでも生じる赤い発疹です。表面から白い皮がポロポロと剥がれ落ちるのが特徴です。乾癬には大きく分けて、①尋常性乾癬、②膿疱性乾癬、③関節症性乾癬、④乾癬性紅皮症、⑤滴状乾癬の5つのタイプがあります。
最も患者さんの数が多いのは、①の尋常性乾癬です。

乾癬の患者さんは、関節が痛くなることがあります。痛くなる関節は手が多いですが、背骨や顎の骨など、あらゆる関節が痛くなる可能性があります。痛みが強く長期間にわたる場合は、④関節症性乾癬というタイプが疑われます。

乾癬の治療はおおまかに4種類あります。
a) 外用療法、b) 光線療法、c) 内服療法、d) 生物学的製剤療法です。

このうち、d) の生物学的製剤療法は、中等症から重症の乾癬患者さんが対象となり、日本皮膚科学会で承認された施設でのみ受けることができます。当科ではd)の生物学的製剤を含めて、どの治療でも受けていただくことができます。生物学的製剤は他の治療と比べよく効く患者さんが多く、発疹がほとんど消えてしまった患者さんもかなりいらっしゃいます。その一方で、他の治療よりも副作用を起こしやすいという危険性があり、また薬剤費も高額です。

当科では火曜日と金曜日に乾癬外来を行っています。紹介状を持って受診される患者さんが多いですが、それまでの治療でなかなか良くならず、悩んだ末に受診される患者さんもいらっしゃいます。

乾癬外来では、まず担当医が皮膚の症状を診察し、その患者さんに合った治療法を提案します。そして患者さんと相談し、最終的に患者さんの希望に沿った治療を行います。患者さんが最初に選んだ治療をやめたくなった場合には、再度よく相談し次の治療法を考えていきます。また逆に、担当医から別の治療法への変更をお勧めすることもあります。

医療関係者の皆様

乾癬外来では、多数の乾癬患者さんの治療を行っています。ステロイド外用剤、ビタミンD3外用剤、合剤の外用剤、レチノイド、免疫抑制剤に加え、光線療法にはnarrow-band UVBの全身照射型の機械とターゲット照射型のエキシマライトを用いています。生物学的製剤については、市販の製剤は全て使用可能です。乾癬の新しい治療薬は今後しばらく増え続けると思いますが、随時採用追加し使用可能としていく予定です。尋常性乾癬の患者さんでも関節痛が合併することがあり、関節症性乾癬に移行するケースもあります。通常の乾癬の患者さんに加え、関節症状のある患者さんや広範囲にわたる皮疹を有する患者さんをご紹介いただけましたら幸いです。

皮膚腫瘍

がんは様々な部位に出来ますが、大きく分けると【固形がん】と【血液のがん】に分けることが出来ます。固形がんはさらに【上皮細胞がん】と【非上皮細胞がん】の二つにわけられます。皮膚も例外ではなく上記ようながんが発生し、手術、化学療法、放射線療法の3本柱として、時には他科と連携し皮膚がんを治療し、日々奮闘しております。

①皮膚の固形がんについて

皮膚は表皮・真皮・皮下組織の3つの部分に大きく分かれます。さらに表皮は角質層・顆粒層・有棘層・基底層に分かれます。真皮~皮下組織にかけて、毛包・脂腺・汗腺という表皮と構造の類似した皮膚付属器があります。真皮・皮下には他に脂肪織・血管・立毛筋などの上皮以外の重要な組織と神経があります。これらのうち、表皮と皮膚付属器の細胞が悪性化したものを総称して「皮膚がん」と呼びます。ごく稀なものまで含めると種類は非常に多く、見た目も多種多様です。しかし内臓悪性腫瘍と異なり、皮膚の異常は直接目で見ることができるので、皮膚がんは早期に発見できる可能性が高い反面、自分で良性と判断し発見が遅れる場合もあります。慢性に紫外線を浴び続けることや大量に浴びた放射線により照射部位から皮膚がんが発症することはよく知られています。昔に負ったひどいヤケドやケガのキズ痕などが何年も治らずジクジクした状態から皮膚がんができることもあります。一方、ホクロや湿疹だと思っていたら、実はがんだったという例もあります。皮膚にできた病変を見つけて「気になる」と思われたら、自己判断せずに、面倒でも一度は皮膚科専門医に見せることが早期発見への近道です。最も一般的な種類は基底細胞がんと有棘細胞がんで、これらは非メラノーマ皮膚がんと呼ばれます。非メラノーマ皮膚がんは体の他の部位まで拡がることは稀です。一方、メラノーマは周辺組織に浸潤し、体の他の部位まで拡がる可能性がより高くなり、時に手遅れになることも稀ではありません。しかし、ここ数年間にメラノーマに対する有効な新規薬物療法が登場し、治療法は目まぐるしい発展を遂げております。

②皮膚の血液のがんについて

皮膚の悪性疾患のなかには、皮膚の悪性リンパ腫もあります。頻度の高い疾患ではありませんが、皮膚のリンパ腫は病気の悪性度、治療法、生命への影響など、いろいろなタイプを含む非常に幅の広い疾患であるため、皮膚に生じたリンパ腫がどのタイプのものなのか正確に診断し、それに適した治療を行うことがきわめて大切です。大半の皮膚リンパ腫は、慢性に経過することが多いですが、中には急性に増悪する予後不良のタイプもあるため注意が必要です。初期の症状はアトピー性皮膚炎などの皮膚炎、湿疹様の見た目を呈することがあり、自己判断で軽く見すぎたりすると危険です。また診断がついたからといって逆に悲観しすぎたりしない事が大切です。皮膚のリンパ腫に対する治療法は外用剤から化学療法(時には血液・腫瘍内科の先生と連携し)まで多岐にわたります。

脱毛症

脱毛症というと円形脱毛症のイメージを持たれる方が多いかもしれませんが、実は以下のような様々な脱毛の種類があり、きちんと原因の検査を行い、それぞれのタイプに合った治療方法を選択することが大切です。

  • 円形脱毛症
  • 全身性疾患に伴う脱毛症(膠原病、甲状腺疾患、亜鉛や鉄の欠乏など)
  • 瘢痕性脱毛症
  • 男性型脱毛症
  • 休止期脱毛
  • トリコチロマニア(抜毛癖)
  • 薬剤性脱毛症
  • 先天性脱毛症  など・・・

治療方針

症状によって採血、皮膚生検(皮膚を採取し、組織学的な検討を行います)などを行いながら、それぞれ患者さんの病型のタイプや重症度をしっかりと判断することで、適切な治療を選択するとともに、患者さん一人一人のライフスタイルやニーズに合った治療を行います。

研究活動

臨床研究や基礎研究も行っており、脱毛症の患者さんのお役に立てるよう活動しています。

リンク

円形脱毛症を考える会

アレルギー

当院のアレルギー外来では主に接触皮膚炎、金属アレルギー、楽剤・食物アレルギーなどの> 原因や増悪因子を検査しています。
検査法としては、即時型アレルギーにはプリックテスト、スクラッチテスト、皮内テストなどを行います。
遅延型アレルギーには、パッチテストを行っています。
プリックテスト パッチテスト
曜日 曜日 火、木、金、月
時間 午後 時間 午後

※上記検査を原則として7〜9月以外に施行しております。
※上記検査は予約制で施行しております。まずは、通常外来を受診下さい。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、慢性に繰り返す、痒みを伴った湿疹を特徴とした皮膚疾患です。その原因や悪化因子は、遺伝因子、環境因子、汗、食べ物、感染、ストレスなどさまざまであり、患者さんによって症状の程度や悪化因子は大きく異なります。よってアトピー性皮膚炎治療では、病気と正しく向き合いながら、患者さんそれぞれの症状やライフスタイルに合った治療法を選択し、日常生活にスキンケアや悪化因子を避ける工夫などを上手に取り入れていくことが大切だと考えています。

私たちの外来では、アトピー性皮膚炎に対する正しい知識を身につけていただきながら、患者さんひとりひとりに合わせたきめ細かな診察、治療を行い、患者さんが充実した日常生活を送るお手伝いを致します。

治療方針

① 適切な治療
当科では、日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎診療ガイドラインに基づいた標準治療を行っています。患者さんひとりひとりの症状に合わせて、保湿剤によるスキンケア、炎症期のステロイド剤や免疫抑制剤(タクロリムス)の外用治療、抗ヒスタミン剤の内服治療、免疫抑制剤(シクロスポリン)の内服治療、光線療法(ナローバンドUVB)、入院治療などを組み合わせながら治療を行います。また、軽症の患者さんで外用薬をやめるとすぐに症状が再燃してしまう方には、免疫抑制剤(タクロリムス)の外用を週に2回程度継続することで症状の再燃を防ぐプロアクティブ療法もお勧めしています。
② 正しいスキンケアの継続
アトピー性皮膚炎は皮膚から悪化因子が侵入することで症状が悪化します。症状が落ち着いている時期にも保湿剤外用をきちんと行うことで皮膚のバリア機能を保ち、こまめな汗の拭きとりや、適切な紫外線対策などのスキンケアを継続していただくことで、症状のぶり返しや悪化を予防します。
③ 悪化因子の回避
詳しい問診や採血検査、パッチテストやプリックテストなどの各種アレルギー検査などにより悪化因子を検索し、除去指導を行います。

遺伝子検査

遺伝子検査を希望される方に対しては、アトピー性皮膚炎の発症因子の一つとして注目されているフィラグリン遺伝子変異の検索も行っています。ご不明な点があれば遠慮なくご質問ください。

臨床治験など

新薬の臨床治験に積極的に参加することで、新薬への理解を深め、最新の治療効果を患者さんへと提供できる体制を整えています。アトピー性皮膚炎患者さんにお役に立てるよう臨床研究や基礎研究も行っております。

レーザー

現在皮膚科のレーザー外来では保険適応で行える疾患を中心に加療を行っています。
色素レーザーでは苺状血管腫や単純性血管腫、クモ状血管腫が、Qスイッチルビーレーザーでは太田母斑や扁平母斑、異所性蒙古斑などが適応となります。
レーザー外来は毎週木曜日に行っておりますが、レーザー照射自体は第2,4週目の木曜日のみに行っており、第1,3,5週の木曜日は診察や説明に充てています。中でもレーザー開始前の説明にしっかりと時間をかけ、不安な状態で施術を受けることの無いよう納得いくまで話をするよう努めています。
疾患によっては早めの治療がよいこともありますので、気になる症状があった場合にはぜひ受診をしてみてください。

遺伝性皮膚疾患

近年、皮膚科学分野において多くの遺伝性皮膚疾患に対する遺伝子配列解析が行われており、多くの責任遺伝子が同定されています。当教室では倫理委員会の承認に基づき、当院を受診された患者さんを中心にダイレクトシークエンス法を用いた遺伝子配列解析を行っています。これまでに単純型表皮水疱症などの遺伝性水疱症、ヘイリーヘイリー病などの遺伝性角化症の遺伝子変異の同定を行ってきました。これらの疾患に関して他施設からのご依頼もお受けしていますが、検査を希望される場合は倫理委員会認定の遺伝子診断のための同意が必要になります。
遺伝子検査の確定率は60~70%程度であるのが実情であり、検査で検出される変異が必ずしも病因であるとは限らないなど結果の解釈が難しい場合が多くあります。遺伝子検査の前に正しく適切な臨床診断を行うことが重要であり、安易に遺伝子診断を行うことには慎重であるべきです。また遺伝子診断が普及してきましたが、治療に関してはまだ研究段階です。遺伝性皮膚疾患に対する根本的な治療法の開発のため、変異に基づく病態の解明に力を入れていきたいと考えています。